選択

31 5月

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が行った、とある実験について。

某スーパーマーケットにおけるジャムの試食コーナーでの販売実験。1回目は24種類のジャムを並べてみました。スーパーに来店した客の60%がこのコーナーに立ち寄りました。2回目は6種類のジャムを並べてみました。立ち寄ったのは40%でした。種類が多い方が、客を引き付ける効果が高いことがわかりました。では、立ち寄った人の中で購入した割合はというと、24種類の方は3%だったのに対し、6種類の方は30%でした。来店客の中で購入した割合は次の通り。

24種類:集客率60%×購買率3%=1.8%

6種類:集客率40%×購買率30%=12%

種類が少ない方が、多い場合より約6倍の売れ行きだったことになります。

この実験でわかったことは、人は選択肢が多すぎると、購買行動を起こしにくくなる、ということです。アイエンガー教授によると、選択肢が多いときに心理的に3つのマイナスが生じるとしています

①決められない ②不利益な選択をすることがある ③選択の結果に不満足

それでは、ネット販売においてはどうでしょうか。宿泊プラン数や部屋タイプ数についても、同様の心理が働くと考えていいでしょう。例えば、プラン数が多すぎることは、訪問ユーザーの予約転換率を低下させると考えた方がよさそうです。

それならば、販売プラン数は何プランが丁度いいのでしょうか? ある心理学者の研究によると、人間が脳の中で同時に比較検討可能な選択肢は7つ程度であるとしています。電話番号なども7桁までなら何とか記憶できますが、それ以上になると難しいでしょう。

ターゲットとなる客層が複数の場合はどうなるでしょうか?例えばカップルと女性グループをターゲットとする宿なら、7×2=14プランになるかと言うと、そうではありません。異なるターゲットでも共通のプランがあるはずなので、その分合計プラン数は少なくなります。

とはいえ、これはあくまで一般論です。宿のカテゴリーやターゲット、季節性など様々な要因によって、適切なプラン数は変わってきます。