ホテル旅館経営者の皆さま、ゴールデンウィークの入込はいかがでしたか?ゴールデンウィークは夏休みの「写し鏡」です。客層が類似するので、ゴールデンウィークと同じ結果が夏休みに出る可能性が高いと言えます。ゴールデンウィークの結果をしっかり分析して、夏休みに向けた対策を今から考えましょう。
さて、宿泊施設においては、何かと「値下げ」に話が及ぶことが多いですが、今回は「値上げ」の方法について考えてみます。夏の繁忙期は一年のなかでも数少ない単価を上げるチャンスです。旅行予算が高めの客層も多いです。単に室料を上げるだけでなく、宿全体の単価を上げていきましょう。
温泉宿の夕食を例にとります。夕食ランクが竹4千円と梅3千円の二種類だと、梅の方が良く売れます。ここに松5千円を追加すると、竹が売れ始めます。松を思い切って7千円くらいにして、竹の割安感を打ち出す戦略もあります。売れるはずがないと思っていた7千円の松が意外にそこそこ売れたりします。お客様のニーズと消費者心理を踏まえて、商品ラインナップの見直しをしてみましょう。
商品の付加価値を高める手法もあります。お風呂上りの缶ビールは自販機や売店で300円でしか売れません。冷えたグラスに注いだ生ビールをBGMが流れる雰囲気のいい場所で提供すれば500円でも売れます。カクテルなら庭で育てたミントを飾って、スタッフが最高の笑顔で提供すれば、単価アップができるかもしれません。お客様によりご満足いただきながら、宿がより利益を大きくする方法を考えましょう。
日本人には、商売で「稼ぐ」とか「儲ける」ことは悪いこと、のようにネガティブに捉える国民性があると指摘する専門家がいます。宿の経営者様がこの辺の意識を変えることも、日本の宿泊業業界が生産性を向上していくために必要なことなのかもしれません。