異業種に学ぶ

13 7月

ビジネスの現場では、解決すべき課題や問題が次から次へと発生します。ホテル旅館なら、サービス品質向上の課題、人手不足など組織運営上の問題、設備の不具合や更新の問題、業績目標と実績乖離の課題などがあるでしょう。それらは処理が追い付かないまま日々増え続け、目の前に山積しているのが実態ではないでしょうか。

問題解決の手法としては、(1)問題認識→(2)原因特定→(3)解決策立案→(4)実行、というプロセスで取り組むのが一般的です。なかでも解決策立案は、過去の経験や外部の解決事例などを参考にすることが多いでしょう。しかしながら、「解決策としての効果は高いが、難易度が高く費用がかかりすぎる」とか、「経費がかからず、すぐに実行可能だが、見込める効果が低い」など、良い解決策が見つけられないことがあるでしょう。そんな時にお勧めしたいのが、視点を変えること。すなわち「異業種に学ぶ」ことです。

先般、私は社内である問題を抱え、すぐに解決することができずにいました。そんなとき、たまたま手にしたビジネス書『ザ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット著)の内容が大変参考になりました。機械メーカーの工場を舞台に、製造業における生産性向上の課題をボトルネックに注目して解決していくビジネス小説です。「ボトルネックがある場合、工場全体の生産量はボトルネックの生産能力で決まってしまう」「工場全体のアウトプットを上げるために、ボトルネック工程のアウトプットを最大限にするように工場内の改善努力をそこに集中させる」「ボトルネック以外の工程では、ボトルネック工程より早くモノを作ってはいけない」

弊社でも、特定の時期に特定の部署で業務の負荷が集中し、ボトルネックが発生しています。それは従来、「あるのが当たり前で仕方がないもの」と解消すること自体あきらめていたものです。しかし、『ザ・ゴール』に書かれていた製造現場の視点を持つと、今まで見過ごしていた解決方法を発見し、実行することができました。

サービス業が無形のサービス提供によって価値を提供するのに対し、製造業では物理的な製品を作ることで価値を提供します。在庫管理の有無、労働集約型か機械・自動化か、など両者にはビジネスモデルとしての相違点が非常に多い。そのため、弊社のようなサービス業が製造業から学べるものは少ないと思い込んでいました。でもそれは大きな誤りでした。

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