スマホ世代と観光の未来

18 9月

私たちが子供の頃、好奇心を満たすのはテレビや近所での遊び、スポーツやおもちゃでした。今の子供たちはまったく違います。外で遊ぶ姿は少なく、テレビもほとんど見ません。スマートフォンを手にするのが当たり前で、情報を得るだけでなく、動画や音楽に触れ、仲間とコミュニケーションを取り、自分の考えを発信する場としても活用しています。生活の多くがスマホを通じて成り立っているのです。その影響は選挙における若者の投票結果にも表れていて、若い世代の価値観の変化が社会全体に波及していることを実感します。

中高生のスマホの使い方を見ると、単に時間を消費しているわけではなく、実は非常に好奇心が旺盛で、あらゆる体験に触れたいという欲求が強いことがわかります。大人の多くは「スマホ依存」と否定的に捉えがちですが、それは偏った見方かもしれません。スマホの中では、発見し、考えを深め、感性を磨くといった成長につながる活動も数多く行われています。社会に出る入口に立ち、新しい世界を知りたい、体験したいという気持ちを誰よりも持つのが、この世代なのです。

この世代が大人になり消費の中心を担う時、観光に求めるものは変わる可能性があります。旅行の本質的な価値は残るにしても、今までと同じとは言えません。私たちがすべきことは、その兆しをいち早くとらえ、サービスとして形にすることです。

一方で、40代以上の世代は成長期にスマホがなかったため、若者の感覚を本当には理解できていません。そしてオールドメディアに頼る生活を続ければ、世代間のギャップは広がるばかりです。必要なのは若者のスマホの使い方を知り、彼らの感覚を理解し、価値観を認めることが、これからの観光需要をとらえる鍵になるかもしれません。

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