賃上げの春

14 3月

経営者の皆さん。いよいよ「賃上げの春」が近づいてきました。ニュースでは連日、春闘の話題が取り上げられ、大手企業では今年も積極的な賃上げの回答が見込まれています。
一方で、中小企業にとっては、簡単に賃上げに踏み切れる状況ではありません。仮に売上高が伸びていても、原材料費やエネルギーコストの上昇、人件費や採用コストの増大などで、厳しい経営環境に直面している企業は少なくないはずです。

それでも、私たちは賃上げに向き合わなければなりません。十分な賃上げを行わなければ、社員は将来に不安を感じ、離職に繋がる可能性があります。人材流出は企業にとって大きな損失です。だからこそ、経営者には賃上げの実行が求められているのです。

では、どのようにして賃上げを実現するべきでしょうか。
たとえば、労働分配率が50%の企業が、社員の給与を5%引き上げる場合、営業利益率を維持するには労働生産性を5%高める必要があります。しかし実際には、社員が直接付加価値を生み出す業務に費やせる時間は限られています。会議、面談、事務処理、情報収集など、付加価値に直接結びつかない業務が1日の50%を占めているとすると、生産性を5%向上させるには、付加価値業務の効率を10%高めなければなりません。

そして、組織全体で平均10%の生産性向上を達成するには、実際の目標は20%程度に設定しなければ届かないことが多いでしょう。これは決して小さなチャレンジではありません。従来8時間かかっていた仕事を、6時間半程度で終わらせる水準です。しかもこの取り組みは、一年限りのことではなく、賃上げを毎年継続していくには、毎年生産性の向上においても成果を上げ続けていかなければなりません。

物価の上昇などで社員の生活はますます厳しさを増しています。社員のために物価上昇に負けない賃上げを実現したい。それは経営者として当然の願いです。そのために、私たちは製品やサービスの価値をさらに磨き、価格転嫁による収益力向上を目指さなければなりません。加えて、業務改善やDXの推進など、生産性向上に向けた取り組みも加速させていく必要があります。そして、その先にあるのが賃上げの実現です。

一方で、社員にも協力を求める必要があります。生産性の向上に真剣に取り組んでもらうことは、持続可能な賃上げの前提条件です。賃上げは経営者だけの課題ではなく、社員とともに目指す共通のゴールです。双方が同じ方向を向き、一丸となって取り組むことで、企業はより強く、より持続可能な組織へと成長していくはずです。

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