だいぶ前のことだが、3泊4日の地方出張に出ることになった。
近所の菓子店で、手土産を買って持っていくことにした。
賞味期限が短いものもあるので、出発する日の出掛けに立ち寄ることにした。
箱入りの菓子を5~6個選んで、レジで支払いをして、手提げの紙袋に入れてもらう。
店を出ようとしたとき、背中越しに女性店員の明るい声が響いた。
「ありがとうございました。行ってらっしゃいませ。」
これから仕事での長い旅路が始まるところ。決して気持ちは軽やかではない。
そんな折りに、「行ってらっしゃい」の声かけはうれしく感じた。
ん?まてよ。 なぜ 「いってらっしゃいませ」 なのだ?
なぜ店員は、僕がこれから出掛けることがわかったのだ?
考えてみれば確かに、同じような土産物を複数買って自宅に帰る奴はいない。
だから、これから出掛けるのは明らか。だから、「いってらっしゃいませ」なのだ。
これは店員の気配り心配りにも見えるが、おそらくは店としてマニュアル化しているのだろう。
最近、洋菓子店のサービスレベルの高さに感心することが多い。はやり伸びてる業界は違う。
恐るべし。スイーツ業界。