パンデミックは終わらない

10 1月

年初から暗いニュースです。オミクロン株の拡大により国内の新規感染数が爆発的に増加しています。期待していたGotoトラベルの再開も吹っ飛びました。第5波が終息して年末年始の観光需要に回復が見られていた矢先だけに残念です。

しかし冷静に考えてみると、今回の新型コロナがいつか終息したとしても、また何年後かには別種のウィルスが現れ、再びパンデミックを引き起こす。そう考えた方が正しいかもしれません。なぜなら、今の時代は実に大勢の人間が世界中を旅行やビジネスで常時動き回るようになりました。ウィルスの世界規模での拡散が、簡単に起きてしまう時代になったのです。もう覚悟を決めた方がいいかもしれない。「パンデミックはこれから何度も繰り返される」と。

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が、今から数年前にパンデミックの到来を予言していたことが話題になりました。その彼が「新型コロナのパンデミックは恐ろしかったが、気候変動はさらにひどい恐れがある」と次なる警告を発しています。「気候変動の致死性は2100年までにコロナウイルスの5倍になる可能性があり、経済問題と合わせて新型コロナのパンデミックよりも長期間にわたって人類を苦しめることになる」との見方を表しています。
日本においても、過去に経験したことがないような集中豪雨に毎年のように襲われるなど、気候変動による自然災害のダメージが確実に増しています。もっと巨大なリスクは大規模地震です。東日本大震災とは桁違いの被害予想がされている南海トラフと首都直下型はいつ起きてもおかしくないと言われています。

このような災害リスクの高まりを前にして、経営者はいま何をするべきでしょうか。第一には、こうしたリスクに正面から向き合うこと。第二に、リスクに備えること。この先、数年に1回の頻度で大規模災害が起きても、経営を維持できるような体制を構築すること。具体的には、損益分岐点を今よりも引き下げる工夫をする。もしも長期間の休業を余儀なくされ売上が大きく落ち込んでも倒産しないような利益構造にする。休業補償の保険などを手厚くする。余分な資産を持たず、自己資本比率を向上させる。事業規模を大きくしない。などなど、打つ手は必ずあるはずです。
もはや万が一とは言えない。すぐそこにあるリスクと共存する。そうした覚悟と行動が求められていると思います。

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