先日の昼休み、会社近くのある飲食店に初めて入った。天井が低くて狭い小上がりに通された。食事を注文しようとした時、室内が物凄いタバコの煙で充満しているのに気付いた。周囲には客が二十人くらい居て、食事が運ばれてくるのを待っているのか、それとも食後なのか、とにかくほぼ全員がタバコを吸っているのだ。さすがにこれはちょっとキツいと思い、注文せずに店を退出した。最近は受動喫煙防止法の法制化に向けて何かと議論を呼んでいるが、ランチタイムにタバコを吸える店が減っている分、吸える店には喫煙者が集中するのかもしれない。
さて、ここ数年、大手ホテルでは禁煙ルームの割合を相次いで増やしているようだ。京王プラザホテル札幌では、禁煙ルームの割合は2013年に57%だったのが、徐々に増やして2016年に80%、17年中にも86%まで上げる計画らしい。ホテルモントレ札幌など全室禁煙化するホテルも出てきた。訪日外国人の受け入れが多いホテルほど、禁煙ルーム重視の傾向が強いようだ。ホテル関係者からは「禁煙ルームから予約が埋まる」「禁煙ルームの方が稼働率は高い」という声があり、客室単価も高くなる傾向にあるそうだ。
禁煙室と喫煙室の割合をどれくらいにするか。それによって売上にも影響するのは間違いないだろう。ここ何年も割合を変えていないという宿泊施設は、そろそろ見直しを行った方がいいと思う。
喫煙ルームは壁紙がタバコのヤニで黄ばんでしまい、貼り替えのサイクルが禁煙ルームよりも短くなる。カーペットやテーブルなどにタバコの焼き焦げがついてしまうことも少なくない。やはり禁煙ルームの方が備品も傷みにくく、経費面でもメリットがある。清掃時の消臭対応に時間をとられるといったこともないし、客室清掃スタッフの受動喫煙防止というメリットもあるだろう。
そういう僕も若い頃はヘビースモーカーだった。35才のときに思い立って卒煙したが、愛煙家の気持ちはよくわかる。喫煙コーナーの設置などでは、喫煙者へのやさしい配慮もお願いしたいと思う。