プライムネット株式会社を創業して、来月で丸8年になります。「新規創業の会社は10年で9割が消えていく」とよく言われるので、あと2年頑張れば1割の方に入れることになります。
思い返せば8年前、創業は自分ひとりで行いました。既存の顧客もゼロ、サービスもゼロからのスタートですから、会社に対する信用もゼロでした。そんな中にあって、当時ご契約いただいた施設さんには、今でも本当に、心から感謝しています。
創業の一年目は自宅の一室(六畳間)を事務所代わりに、小さな折り畳みテーブルと椅子、ノートパソコン1台だけで事業を始めました。二年目になって初の従業員を雇いました。でもまだ余裕がないので、週に20時間だけ勤務してもらうパートさんを1人採用しました。二年目もパートさんを1人増員しただけ。三年目になってやっと、営業をやってくれる契約社員を1人採用しました。
当社のサービスは年中無休をうたってスタートしたため、最初の三年は基本的に休みはゼロでした。従業員が会社に居ない時間帯、土日祝日などは、プライベートの用事を済ませるため外出する時も、常に電話とパソコンを持参しました。食事中も、トイレの中でも、車の運転中にも電話はかかってきます。風邪を引いて寝込んだときも、電話に出ないわけにはいきません。ひとり社長の大変さが身に沁みました。
四年目からは社員を増やし始め、いまは20人を超える所帯になりました。そのおかげで、いまは普通のサラリーマンと同じように休みを取ることができるようになりました。とはいえ、休日も完全に心休まることはありません。自宅で仕事をしたり、資料を集めたり、課題について考えを巡らせたり。結局、経営者というのは365日、24時間、完全には仕事から離れられない職業なんだなと思います。
先日、取引先のビジネスホテルに往訪し、社長さんと打合せをしました。こちらはもともと旅館業を営んでいた家系で、先代でビジネスホテルに業態変更。いまの社長さんは若い頃、証券会社に勤務し、ガッツがあって非常に頭の切れる方。普段の生活はホテルの一部分を住居として利用し、朝は4時半から朝食営業の準備。チェックアウト終わり、業務がいったん落ち着く11時頃に中抜け。午後2時くらいに出勤し、チェックインが一段落する夜の10時頃にナイトフロントの従業員に後を任せて退社。夜間にトラブルが起きたときは即座にフロントまで出向いで対応。この生活が毎日、一年間同じく繰り返されます。休みはというと、ありません。この社長さん、何と休みがないのです。先代の仕事振りを幼い時から身近に見てきて、それが当たり前のこととして、ご本人も続けているそうです。
家業として日本の宿泊業に従事する方は、ほぼこれに近い働き方をされているのではないでしょうか。そして、経営者の方は、利益を上げるために、文字通り必死に日々闘っています。
私もいま、小さいながら会社の経営者として生きています。しかしまだ創業8年目の若造です。先輩である宿の経営者様から学ぶことばかりです。もっともっと学びたい。その一方で、カラダを張って頑張る宿の経営者様やご家族のために、もっとお役に立てないか。いつも考えています。でも、自分はまだまだ力不足。貢献できるようになるには、自分がもっと力を付けなければいけない。力を付けるには、経験ももちろん大事。でも、勉強が大事。
もっと、勉強しよ。