新型コロナとの闘い⑧(アップセル)

8 10月

私は30代の頃、小さなリゾートホテルの支配人をしていました。泊まりに来るお客様はそれなりの収入がある方が多かったように思います。それなのに、ホテル内のレストランで揃えていたワインは安ワインばかり。ワイン好きのお客様ならがっかりさせていたと思うし、売上的にも機会損失をしていたと思います。たまに当時を時々思い返しては、もっと幅広い価格帯のワインを揃えておくべきだったと後悔します。

さて、依然と先行きが不透明な新型コロナですが、この先、仮に終息しても、ひとたび変容した私たちの行動は、簡単に元に戻ることはないと思います。旅行に出かける回数は、以前よりも少なくなる。年に3回だった人は2回に。海外旅行は国内旅行に切り替えるかもしれない。その代わり「せっかくの旅行なのだから、ちょっと贅沢したい」と1回にかける消費金額が増えてくるかもしれません。

宿に泊まっていただくお客様の数が減っても、単価を上げれば逆に利益を増やすことが可能です。例えば、一人当たりの宿泊代が1万円で、原価と経費が9千円、利益が千円の宿が、単価を千円上げて利益が千五百円になれば、客数が3割減っても、利益は5%増えます。(70%×150%=105%)経営にとっては売上高よりも利益こそ大事であり、そのために利益率を向上させる販売単価アップが重要なのです。

観光地の宿なら、夕食に地元の高級食材を一品追加したプランを用意する。シティホテルなら、備品やアメニティにこだわった部屋を何室か作って販売する、などアップセルに取り組んで、単価の向上を図りましょう。

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