USAでもUSJでもなくて、USPについてです。マーケティング用語であるUSPとは、Unique Selling Propositionの略で、「他社にはない独自の強み」のことをいいます。
弊社では、宿泊施設様の売上アップをテーマに、毎月会議を開催しています。月替わりで数軒の施設をピックアップして、宿泊予約サイトや自社ウェブサイトの販売状況を分析。集客人数及び販売単価のアップにつながる施策がないか話し合います。
ページ内での写真の使い方、キャッチコピー、宿泊プランのラインナップや表示順位は適切か。レートコントロールは効果的に運用されているか。宿泊料金に見直しの余地はないのか。時には商品である宿の特徴に論点を移します。すなわち「そもそもこの宿の売りは何なのか?」「USPは何か?」ということです。
先日の会議では、とある街中のビジネスホテルについて、客室も館内設備もごく普通で、差別化できるようなポイントが見つからない、というところで議論が暗礁に乗り上げてしまいました。しかし予約サイトのクチコミをよく読んでいくと、宿泊客の多くがホテル周辺の飲食店でお酒を飲んだり食事をしたりしていて、繁華街へのアクセスが良いことを評価していることがわかりました。競合ホテルの多くは駅や百貨店、観光名所からは近くても、飲食店街からは少し離れています。旅先では、できるだけ近場で食事を済ませたいものです。ならば、「繁華街に近い」をこの宿のUSPとして捉えてみてはどうか?ということになりました。
見知らぬ土地で自分好みの美味しい飲食店に一発で巡り合えるのは簡単ではない。ならば、飲食店についての情報提供をする「コンシェルジュサービス」をスタッフが行うとか、飲食店マップを作って配布してはどうか?飲食店から割引クーポンをもらって、それを宿泊プランに組み込めないか?飲食店の画像を数多く掲載してはどうか?様々な意見が出されました。
見逃しているUSPはないか?お客様のニーズと併せて、いま一度探してみてはいかがでしょうか?