弊社は今年、お陰様で創業十周年を迎えることができました。弊社が掲げるミッションは「インターネットの有効活用を通して宿泊施設に貢献する」ですが、今月号はこの原点についてお話しさせていただきたいと思います。
私は前職の宿泊施設で支配人として勤務しておりましたが、経営会社の方針で人件費予算が常に徹底的に圧縮されていました。同型の宿泊施設より2割は少ない人員で運営しなければなりません。恒常的に重度の人手不足です。社員は慢性的な長時間勤務を強いられ、休みも満足に与えられません。仕事は好きでも、体が辛くて辞めていく社員を見るのは、本当に辛いものでした。
そんな中、ネット宿泊予約が集客チャンネルとして徐々に重要になり始めました。担当する宿泊予約(客室販売)の部署においては、新たに宿泊予約サイトの管理運用に関する専門知識やスキルが必要になったことで、業務量が更に増加することになりました。会社も対策は講じました。コンピューターシステムを改善し、事務作業の省力化を図る一方、ネット業務の一部をアウトソーシングすることも始めました。しかし、それでも社員の負担が軽減されるまでには至りません。
そのときに思ったのが、「いまここで起きているのと同じことが、日本中の宿泊施設で起きているのではないか?」ということです。「それなら、その問題を解決する会社が必要だ。」既存の会社を調べたところ、満足のいくサービスを提供できている会社は見つかりませんでした。「ならば、それを自分で作ろう。」
会社を退職し、2010年4月にプライムネットの事業を開始。といっても社員はひとり、事務所代わりの自宅6畳間には小さな机と椅子、ノートパソコンが1台だけ。会社のホームページもまだない、まさにゼロからのスタートでした。
そこから10年。社員は24人となり、取引先は200施設を超えました。会社はこの10年を創業期、次の10年を成長期と位置づけています。創業の原点である「宿泊施設に貢献する」というミッションは変わりません。これからもサービス品質を磨きながら、人材不足でお困りの全国の宿泊施設様にサービスをお届けしてまいりたいと考えております。