仕事力

5 4月

この春、新入社員の迎え入れをされた施設様も多いことでしょう。私が経験した範囲では、新卒社員は一般にフレッシュでモチベーションも高く、素直です。教育研修をスムーズに受け入れ、スポンジのようにどんどん吸収して、目に見えるかたちで成長をしていきます。カリキュラムと教育担当者の質さえ確保されていれば、ほぼ期待通りの成果を上げていくでしょう。
一方で中途採用の社員についてはいかがでしょうか。即戦力とまで行かないまでも、豊富な社会人経験が土台にある分、業務への適応スピードは新卒とは比較にならない程早いでしょう。課題としては、業務に慣れた後の継続的な仕事力アップではないでしょうか。
仕事力とは ①業務スキル ②マネジメント力 ③コミュニケーション力 の3つに分類できます。業務スキルについては、担当業務に日々取り組む中で、経験値に比例して自然とレベルアップしていきます。問題はマネジメント力とコミュニケーション力です。この2つは、毎日会社に来てまじめに仕事をしていても、自然とレベルアップすることは残念ながらありません。業務とは別の機会で磨くしかない能力なのです。
では、新入社員研修と同じように、能力向上研修を社内で行うべきでしょうか?これには賛否両論があります。LINE株式会社の前CEO森川亨さんは「会社は仕事をする場所であって、教育機関ではない。だから、教育・研修などは行わない」と言っています。「やる気のある人は、自分に必要だと思えば、勝手に勉強を始める。上司に聞いたり、本を読んだり、学校に通ったり。だったら、そのような自発的な学習を、会社が資金面でサポートしたほうがいい」とも。
私もビジネスパーソンとしての仕事力アップは自主的に取り組むのが基本だと考えています。そして一番に推奨したいのがビジネス書を読むことです。本を書いたひとが何年も何十年もかけて体得したノウハウを、わずか一冊の本を読むだけで手に入れることができる。読書は最も効率の良い仕事力アップの方法だと思います。
サービス業に従事する人は勤務時間が長く、シフトも不規則だったりしますが、本は隙間時間にいつでもどこでも読めます。本人のやる気次第。でも本を読むことで自己満足してはダメ。いかにアウトプットするかが勝負です。