西高東低

14 4月

北海道と同じく、九州は広大な面積を持つ。つまり、観光においては移動時間の長さがネックになりがちだ。そこでJR九州では、数年前より弱みである移動時間の長さを逆手に取って、様々なテーマ列車を企画し、走らせているが、これが成功を収めているようだ。

このテーマ列車は新幹線の開通効果と相まって、いま九州観光の絶好調を支えている。

九州の好調さの背景には、東日本大震災後の日本人の心理状態も影響しているようにみえる。震災後一年が経っても、マスコミでは原発や被災地の苦難など、暗いニュースばかり毎日のように流れる。一年間の自粛ムードに疲れ、そろそろ旅行にでも出掛け気分を変えたいと思ったとき、多くのひとは被災地から目をそらし、西に顔を向けるのではないだろうか。そして、北海道はというと、東京や大阪から見れば「被災地の向こう側」なのだ。これから遊びに行こうというときに、飛行機に乗り上空から被災地を見下ろすことはしたくはないだろう。

北海道にとって望ましくない観光の西高東低。これを打開するには、東北が本格的に復興すること。そして、原発問題の解決の道筋がきちんと見えてくることが前提だろう。

話しを面積の広さに戻すと、ガソリン価格の高騰は頭が痛い。高速道路無料化の廃止も響いている。JR北海道よ。新幹線もいいけど、もっと先にやるべきことがあるでしょう。ルパン三世の列車とかやってる場合でないよ!