シゴトのパフォーマンス

25 9月

前の晩、深夜まで遊んで飲んで帰宅して、睡眠不足。おまけに寝坊して朝食抜きで出社。仕事に開始するものの、頭がスッキリ働かない。午後になると睡魔に襲われて仕事がはかどらない。こんな経験は誰にも少なからずあると思います。

仕事のパフォーマンスは常に一定ではなく、コンディションによって左右されます。スポーツなら、パフォーマンスの低下は目に見えるようにわかります。運動量が落ちたり、プレーのミスが多かったり。しかしオフィスワークの場合は目に見えにくい。自分でも自覚しにく面があります。

最近、「睡眠負債」とかいうキャッチーな言葉が流行っていて、睡眠の質についての関心も高まっているようです。また、朝食を抜くことの大罪についても、ビジネスマンなら知っていて当然でしょう。しかし、運動についてはというと、どうも一般に理解が浅いように感じます。

なので、今回は、運動が仕事のパフォーマンスに与える影響について書きたいと思います。

運動する目的をダイエットとか、成人病を予防するため、くらいにしか認識していない人が多いのではないでしょうか。でも実は、運動は脳のコンディションを劇的に高める効果があるのです。

神経精神医学の世界的な専門家であるジョンJ・レイティ博士の著書「脳を鍛えるには運動しかない」では、運動がいかに脳の機能を向上させるかが紹介されています。神経細胞や脳内ホルモンがどのように変化するかなども詳しく説明されています。

なかでも興味深いのは、人間の体が旧石器時代からアップデートされていないということ。つまり人間の体と脳は、10万年前の環境に合わせて作られたままだということです。

 

「旧石器時代の人間は、ただ食べるためだけに、通常、一日に8キロから16キロも歩かなければならなかった。」

「わたしたちの遺伝子には狩猟採集の行動様式がしっかり組み込まれていて、脳がそれをつかさどるようになっている。従って、その活動をやめてしまうと、10万年以上にわたって調整されてきたデリケートな生物学的バランスを壊すことになる。簡単に言ってしまえば、体と脳をベストの状態に保ちないなら、この歴史の長い代謝システムをせっせと使うべきなのだ。DNAに刻み込まれた古代の活動は、おおまかにウォーキング、ジョギング、ランニング、全力疾走に置き換えることができる。そして、この祖先の日常の活動を真似しなさい、というのがわたしに言える最善のアドバイスだ。つまり、毎日、歩くかゆっくり走るかし、週に二、三回は走り、ときどきは全力疾走で獲物を追うのだ。」

僕はいま、週に2回、ジムに通っていますが、そこでよく目にするのがトレッドミルで黙々とウォーキングをする人。または軽い有酸素運動だけして帰っていく人。実にもったいない!せっかくお金と時間をかけてジムに来ても、それじゃほとんど意味がないのです。カラダの健康のためなら中強度の運動を長めにやる。脳のパフォーマンスのためなら、高強度の運動を短くてもいいので必ず取り入れる。

強度を測る基準が心拍数です。最大心拍数=220-年齢。高強度=最大心拍数の75~90% 中強度=最大心拍数の65~75% 心拍数はトレッドミルには備えついているので簡単に測定できます。

最大心拍数90%を超えると、代謝が有酸素から無酸素へと切り替わります。すると下垂体からヒト成長ホルモン(HGH)が放出される。ヒト成長ホルモンとは「若返りの泉」とも呼ばれています。

それからそれから、スクワットをしているときのHGH濃度は、30分間高強度でランニングしているときの二倍らしいです!

なんだか運動オタクっぽくなってしまったので、このへんで止めますが、とにかく運動によってカラダと脳のコンディションを上げて、仕事のパフォーマンスを上げられることを、もっと皆に知ってほしいと思います。

同じ努力するのなら、パフォーマンスが高い、アウトプットが大きい方が、いいですよね?