神頼み

7 1月

正月に自宅近くの神社へお参りに行ってきた。参拝の長い列に並んでいる間、神様に何をお願いしようか、考えた。

会社のこと、家族のこと、自分のこと、あれもこれもお願いしては、神様も困るだろう。叶えてもらうためには、大事なものひとつに絞った方が良さそうだ。そう考えて出した答えは「無病息災」の一点。病や災害は人間の力では避けられない。それ以外は、自分の力で何とか為すべき事。

年末に、会社の部下が凍結路面で滑って転倒して怪我をした。彼曰く、「道端に居たカラスに気を取られて転倒した」とのこと。彼が転んだ原因はカラスにあると言うのだ。後でわかったのだが、その日、彼は何と夏用の革靴を履いていた。

人には「内部要因思考」のタイプと「外部要因思考」のタイプ、ふたつに分かれるらしい。何かに失敗したり物事が上手く行かないとき、他人や運のせいにする人が前者。後者は、自分のやり方に問題がないか、改善する点はないかと、自省を行い改善を図る。知り合いの会社社長が以前こんなことを言っていた。「雪が降っても自分の責任」 彼は東京に住んでいるので、滅多に降らない雪を例にしたが、言いたいことは良くわかる。

無病息災を神頼みしたものの、その後、自分としてやるべきことはできているのか?と自問した。病にかからないよう日頃の健康管理は万全か。万が一の災害にしっかりと備えをしているか。神頼みの前にまだまだやるべきことがありそうだ。