1日4時間労働時代

26 3月

経済学者の森永氏がこんなことを雑誌のコラムで紹介していた。

「江戸時代、庶民は1日4時間しか働かず、残りの時間はずっと遊んでいたという。その結果、歌舞伎、落語、見世物小屋、水茶屋などの遊びが発達したのである。」

戦後、世界中が認めた日本人の勤勉さは、別に古来から持ち合わせたDNAなどではなかったのである。森永氏は続ける。

「イタリア人と話すと、彼らは遊ぶことばかり考えている。それでいて1人当たりのGDPは日本人と変わらないのだ。」

 バブルの時代、日本人もいつか欧米並みの長期休暇を取るゆとり時代の到来を信じて、日本各地でリゾート施設が出現した。僕も大学卒業と同時に、夢を抱いて北海道のリゾート施設へ就職をした。しかし、カナダのスキーリソートへ行ったとき、現地滞在客の過ごし方を見て、日本人にはこんな優雅な過ごし方は性格的に無理だと思い知った。

 日本のリゾートはバブルと共に実質破綻したが、もしバブルが弾けなくても、おそらくリゾートで日本人が長期滞在する日は来なかっただろう。では日本人はもう二度と、江戸時代のようにお気楽な庶民文化に浸れる日は来ないのだろうか。最近僕は、「案外、来るかもしれない。」 そう少し思い始めている。

 その理由?それはいつかゆっくりと・・・。