AI時代の組織運営

22 1月

歴史的に人類が集団を形成する場合、ピラミッド型の組織形態をとることが主流でした。会社組織では社長が最上位に位置し、複数階層の管理職を経て多数の社員が集団を形成します。このピラミッド型組織の主要な機能は情報伝達です。インターネットが普及する前は、情報伝達は主に口頭での会話に依存していました。例えば軍隊の場合、30人程度の小隊であれば全員が一か所に集まり、隊長が直接指示を出すことが可能です。しかし人数がそれより多くなるとそれができなくなります。そこで隊長の指示は下士官が間接的に伝えることになります。末端兵士が認識した戦況を隊長に伝える際も、逆のプロセスを経ることになります。

近年のインターネットとクラウド型情報共有ツールの普及により、情報伝達のあり方は大きく変化しました。中間管理職の役割は変わり、ピラミッド型組織の利点は薄れ、欠点がより顕著になってきました。ピラミッド型組織では、一部のハブが機能しないと情報の流れが停滞し、組織全体が機能不全に陥ります。一方、フラットなネットワーク型組織では、このような問題を回避できます。インターネットという情報インフラの強さがここにあります。現代の世界は、ピラミッド型からフラット型へと移行しつつあります。

当社では数年前、ある部署のマネージャー職に適任者が不在であったため、2名のアシスタントマネージャーを横並びで配置しました。これまで組織運営の教科書的には、上司が2人存在する状態は弊害を招くとされていましたが、当社の場合は結果的に組織はうまく機能しています。その成功の一因はグループウェアという情報共有ソフトウェアを十分に活用し、多くの情報が可視化、共有できていることだと考えています。1月4日に放送されたNHKスペシャルでも、働き方先進国ドイツで子育て中の2名の女性管理職をタンデム(並走)で起用するという、当社と類似した成功事例が紹介されていました。

2023年、生成AIであるChatGPTが社会に急速に普及しました。多くの人々がその威力に驚き、すでにさまざまな分野で活用が始まっています。しかし、これは始まりに過ぎません。他のテクノロジーとの融合により、今後、組織運営にも大きな変化がもたらされるでしょう。昨日の常識は今日の非常識です。私たちは日々、古い常識を打ち破り、新しい常識でスタートしなければなりません。

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