先日視聴した報道番組の中で、昨年春に大学に進学した学生が、この一年半のあいだコロナでほとんど学校に行くことができず、友達ができないと嘆いていました。オンラインで授業を受けることができても、新しい友達を作ることは難しいようです。平時の大学なら、授業が始まる前のちょっとした時間に、隣にいる学生に声をかけてみたり、学食で会話に加わってみたり。そうしたことがきっかけで友達が出来たりします。私たちは、いまここで声をかけていいのか、話しかけるべきか控えるべきか、相手の様子や状況を判断してコミュニケーションを行います。オンラインではそうした場を読むことが難しい。
ビジネスの場面でも、ZOOMなどのオンラインコミュニケーションを行う機会が増えていますが、その限界もわかってきました。例えば新入社員の研修を行う場合、先輩社員は新入社員が緊張していないか、教えた内容をきちんと理解できているか、何か困った様子がないか、表情や動作などから読み取ろうとします。そうしたことは、両者が同じ空間に居るからわかることも多い。ZOOMとメール、チャットだけでは限界があります。
こうした問題を解決するかもしれないと、最近私が最近注目しているのが「メタバース」です。メタバースとは、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語で、オンライン上に構築された3DCGの仮想空間のことです。Facebook社が10月末に突如、社名をMeta(メタ)に変更したことで話題となっています。すでにオンラインゲームなどで使われている仕組みですが、今後さらにVR・ARなどの技術が進化すると、本当にその場にいるような臨場感が形成され、そこにいる人々とかなり繊細なコミュニケーションが取れるようになるかもしれません。気配や殺気を感じる、場の空気を読むことなどもできるかもしれません。
弊社ではテレワークが定着し、業務はオンラインで支障なく遂行できるようになりました。次回の社員採用からは、応募者の居住地を限定せず、日本国内どこに住んでいる方でも応募が可能になります。採用後の研修も、業務もすべてオンラインで行います。唯一の課題が、社員同士の信頼関係や絆をどのように醸成するかです。今後の新しいオンラインコミュニケーションツールの登場に期待を寄せています。