DX

10 9月

その昔、まだ宿泊予約サイトや宿の公式ホームページがなかった時代、宿泊施設には顧客から毎日数多くの電話がかかってきました。施設やサービス内容の問い合わせから始まり、空室状況や宿泊料金の説明、予約情報の確認など、1件の予約を受け付けるために軽く10分以上は費やしていたでしょう。予約の確認・変更・キャンセルもすべて電話。紙のパンフレットを郵送してほしいなどの依頼も多く、電話による顧客対応には非常に多くの手間と時間がかかっていました。

2000年にじゃらんnet、翌2001年に楽天トラベルが開設されると、その後も続々と宿泊予約サイトが開設されました。一方で宿泊施設も公式ウェブサイトを開設し、そこから予約を受け付けるようになりました。宿泊予約の大半がインターネット経由で自動的に成立するようになったことで、宿の運営面では相当な省力化が進んだはずです。

コンピューターの登場やインターネットの普及によって起きた社会の変化は「第三次産業革命」と呼ばれています。もはやネットやスマホなしの生活に戻ることなど考えられないでしょう。

そしていま、第四次産業革命が始まりました。IOTや5G、AIなど様々なデジタル技術を応用して、新しい価値を創造するDX(デジタルトランスフォーメーション)が産業構造や生活を一変させると予測されています。そのスピードと変革の大きさは第三次産業革命をはるかに上回るでしょう。

宿泊施設をはじめとしたサービス業界においても、DXは他人事ではありません。DXの波にうまく乗り、適応できた施設だけが生き残れると言っても過言ではないでしょう。但しDXは一足飛びに実現することはできません。まずはアナログなものをデジタルに移行すること。続いてデジタル化したデータを使用して、作業の進め方やビジネスモデルを変革すること。これがDX化の前提になります。

宿泊施設は今すぐに、身の回りを点検し、紙の書類やアナログ的な仕事を見直すことから始めるべきです。個人的にお勧めの一番目は、「ホテルシステム」です。未だに導入していない施設や何年も更新していない施設が少なくありません。最近は安価で高性能なシステムが登場していますので、小規模な宿でもいますぐ導入を検討してはいかがでしょうか。二番目のお勧めは「グループウェア」です。宿のスタッフ同士で様々な情報をリアルタイムで共有できる、非常に便利な機能を低料金で利用することができます。

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