起業についての関心事

1 6月

僕が起業する直前に在籍したのは、北海道を基盤に温泉旅館チェーンを展開する野口観光だ。
執行役員として5年間在籍し、総支配人を歴任した。

起業して間もないので、営業先などで相手と話をすると、僕の前職が話題になることが多い。僕の会社や起業した理由などより、野口観光を辞めたことに関心を持つ人が多い。

この不景気で、サラリーマンの収入が下がり、あるいはまともに職につけない人も多いこのご時世。せっかく野口観光という優良企業の執行役員という身分をなぜ捨てたのか?ということだ。つまり、僕が立ち上げた小さな会社には、興味も関心もない。新しい会社など、山のように生まれては、あっというまに消えていく。そんなあてにならないものよりは、史実の方がまだ面白い。そして、北海道においては、野口観光の知名度は高いし、身近な企業でもある。

野口観光は優良会社である。財務基盤も驚くほど良い。オーナー社長も経営者として魅力的。45年の社歴のなかで優れた経営ノウハウを蓄積している。しかし、その会社以上に僕にとって魅力的な存在になったのが、インターネットマーケティングの世界だった。宿泊業は何世紀も前からある商売で、いまやほとんど何の進化もしていない、化石のような業種である。それに比べて、インターネットには無限の可能性がある。45歳・・・。大学を卒業してホテル旅館業に従事して20年が経った。この先、バリバリ働けるのも20年くらいだろう。すると今がちょうど折り返し地点。この先、同じ道を歩みつづけるか。それとも・・・・。思い立ったら迷わなかった。

もうひとつ。この20年の間に、わずか11室の小さなオーベルジュら1日700人以上の宿泊客をフルサービスする大型温泉宿まで、様々なタイプの宿で支配人を経験した。その中で、規模の小さな宿があらゆる面でハンディキャップを負っていること。中でも特に、インターネット集客に関して、とても残念な状態に陥っている現実をまざまざと実感した。小さなホテル旅館をウェブマーケティングの分野で手助けをしたい。純粋に、そう思っている。日本の宿泊施設の8割は小規模経営である。長引く景気低迷のなか、本当に苦しんでいる。

ま、とりあえずのところ、営業トークでは、野口観光から創業までのいきさつをストーリー仕立てで紹介すると、いいスタートが切れる。ありがたい。

 

 

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