全国旅行支援が10月11日にスタートします。観光業の事業者にとっては新型コロナにより2年半で被った損失を取り返す絶好のチャンスです。予定は年内までとなっていますが、新型コロナの感染状況によっては延長があるかもしれません。いずれにしても短期決戦であり、終わりがあります。
そしてキャンペーンの後には必ず反動減が訪れます。それは避けようがありません。反動減が落ち着いた後からが本当の勝負ですから、目の前のことに気を配る以上に、先を見据えた行動も必要です。
全国旅行支援の期間中はかなりの高稼働が期待できます。高単価も期待できます。しかしどの宿泊施設も深刻な人手不足です。
人手不足によりサービスや施設の維持管理が追い付かないと、お客様の満足度が低下し、宿泊予約サイトの評価が下がります。評価が下がると、全国旅行支援が終わったあとの、集客が厳しくなった頃に手痛い思いをすることになります。したがって、全国旅行支援の期間中に、運営上で注意すべき点のひとつが宿泊予約サイトのクチコミ対策です。
クチコミの高評価というのはお客様の主観に依存する要素が多いため、なかなか狙って獲得するのは困難です。反対に低評価は客観的な事実によって生じることが多いため、対策を講じることは可能です。マイナスのクチコミ評価を減らすには、お客様の不満を「持ち帰り」させないことです。それには滞在中に起きてしまったトラブルやイレギュラーの情報を従業員が共有して、チェックアウトまでに挽回することです。
例えば、フロントでチェックインの際に、ホテル側の手違いによりお客様の気分を損ねてしまったとします。その場でお詫びして終わりではなく、その情報は各部署に共有をします。夕食時のレストランスタッフに伝えて、絶対にミスを続けないよう特別に注意を払う。
さらにちょっとした気配りなどで、お客様の気分をプラスに変える努力をする。起きてしまったマイナス事案は、チェックアウトまでにプラスになるまでしっかり対応する。守りのミスを攻めて挽回する。そのためには、情報共有とチームワークが不可欠です。
ミスは必ず起きます。人手不足であればなおさらです。ミスを起こさないにはどうするかの事前の対策は当然ながら必要です。私はそれに加えて、ミスが起きたあとに取るべき行動を事前にマニュアル化してチームで共有しておくことが大切だと思います。