リーダーシップとマネジメント

9 6月

ビジネスの現場では日常的にリーダーシップやマネジメントという言葉が使われます。しかし、両者の意味を混同して使われることがとても多いと感じます。どちらも経営職や管理職の重要な機能ですが、その性質は明確に異なります。

リーダーシップとは組織の目標達成のためにメンバーを正しい方向に導く能力であるのに対し、マネジメントとは成果を上げるための手段を考え、組織を管理する能力のことです。

スティーブン・コヴィー氏が名著「7つの習慣」で分かりやすい例を挙げています。ジャングルの中で手斧を持って道を開きながら、目的地を目指しているチームがいるとします。マネージャーとは、作業手順のマニュアル作成、工程やメンバーの体調管理などを行います。リーダーは何をするかというと、たまに高い木によじ登って、チームが進んでいる方向が目的地に対して外れていた場合に「おーい!目指すのはそっちじゃない。もっと右だ」などと叫ぶのです。
リーダーシップを疎かにして、マネジメントに集中すると、間違った場所に早く到着するだけであり、「タイタニック号のデッキで椅子を片付ける」ような事態を招いてしまいます。

弊社では組織運営において、ひとつのテーマに取り組んでいます。それは、管理職のマネジメント業務をできるだけ一般職に下ろして分散することです。
管理職が担当している業務の大半は、実は管理職でなくても遂行可能な業務なのですが、「マネジメントっぽい仕事は管理職がやるもの」という固定観念がそうさせてきました。新入社員に任せるのは無理でも、一定の経験年数があれば誰でもできる、できなくてはいけない仕事がほとんどです。
一般職にとっては、従来の担当業務よりも難易度が高い仕事に取り組むことになりますが、それは自己成長につながる機会ですし、そこで成果をあげれば評価を受けるチャンスにもなります。
管理職にとっては、忙殺されているマネジメント業務から開放され、より重要な機能であるリーダーシップに集中できます。それによって組織の成果が上がります。

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