私事ですが、最近になって体力の低下を痛感するようになりました。それもそのはず、もう56歳の立派なシニアです。どう若ぶっても、あがいても、社会における年齢構成のカテゴリー的には上から数えた方が早い世代です。最近は老害などという言葉を目にする機会が少なくありませんが、他人事とは思えなくなりました。
東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナの収束が見通せないまま開催されそうです。この巨大イベントを動かしているIOCや競技委員会などを構成する重役の多くがお年寄りばかりであることについて、以前から私は違和感を抱いていました。若者が主役であって、若いアスリートのための祭典なのに、ユニフォームのデザインからベントのコンセプトまで、若者そっちのけで、ご高齢メンバーだけで決めてしまうのはいかがなものか。
民間調査機関によると、日本国民の7割が今年の東京オリンピック開催に反対しているそうです。テレビのワイドショーや報道番組は連日のようにコロナの恐怖心を煽り、第三波だ第四波だと騒ぎ立てますので、当然でしょう。ただし調査結果には年代別のデータが公表されていません。若い世代においては反対する割合は少ないのではないかと思います。いま若い人はテレビを見ません。一人暮らしの若者はそもそもテレビを持たない人も多い。当然、新聞なんか読みません。コロナに関する情報源も受け止め方も、根本的に違います。
最近の繁華街は、夜20時をすぎると、歩いているのは10代と20代の若者ばかり。我々シニア層は感染を恐れ、自粛という同調圧力によって、自宅に直帰する毎日です。世代間の乖離(ジェネレーションギャップ)がいろいろな場所で起きています。そんななか、観光業界では若者の動きに注目し始めています。インバウンドや高齢者が旅行マーケットから蒸発したいま、若い世代の消費に期待を寄せているのです。
近頃のビジネス系メディアはDX(デジタルトランスフォーメーション)のテーマでもちきりです。中核をなす技術として5G(第5世代移動通信システム)にも注目が集まっています。そうなのです。世代はどんどん移り変わっていくのです。人間界でも「ゆとり世代」とか、最近では「Z世代」なる若者たちが消費に影響を及ぼし、社会人にもなり始めています。宿泊施設の経営者は私と同世代の50代や60代が多いでしょう。新しいマーケティングに対応できないなら、こちらも世代交代を考えるべき時期に来ているのかもしれません。