新型コロナとの闘い②(できることに手を尽くす)

14 4月

新型コロナウィルスの感染拡大により、宿泊業界にも甚大な影響が及んでいます。経営者の皆様は、本当に苦しい日々をお過ごしのことと思います。今後の経営判断を行う上で、感染の終息がいつになるのかが、非常に重要なポイントになると思います。私も、比較的短期に終息するシナリオと、中期のもの、長期のもの、また影響が比較的軽いもの、中くらい、重いのもので、計9種類を作成しています。

先日、京都大学IPS細胞研究所所長の山中教授がテレビ出演した際に、「長期戦を覚悟した方がいい。長期に及ぶことを想定して行動した方がいい。結果的に早く終息するならそれは良いことだ。」と言っていました。確かに、短期の終息に期待して必要な手を打たず、結果的に長期化した時には、打つ手が限られてしまいます。

経営者としては、いよいよ雇用を維持するのが困難になり、会社を存続させるための最後の手段として泣く泣く整理解雇を考えるかもしれません。しかし、ひとたび人員整理をしてしまうと、終息した後に人的リソースが不足していることにより、反転攻勢に出ることができなくなります。採用・教育にも経費と時間がかかります。

そうならないために、雇用調整助成金の制度が有効に活用できます。政府は新型コロナ対策として特例措置を拡大しました。休業手当の助成率は中小事業者で5分の4、解雇などを行わない場合は10分の9です。

資金繰りについても国が手厚い支援をしています。セーフティネット貸付により1億円までは無担保、3年間実質無利子で融資が受けられます。そのほか都道府県や市町村も利子補給・信用保証料負担などの施策を打ち出しています。すでに取引金融機関や商工会などにご相談済みの方も多いことでしょう。

経営者の皆さんは未曽有の苦境のなかにあって、本当に苦しく、気が重く、辛いことと思います。ストレスで体を壊してしまうことがないように、心の持ちようも大切です。司馬遼太郎が日露戦争下の日本軍を描いた小説「坂の上の雲」。騎兵部隊長の秋山好古が敵味方の弾丸飛び交う激しい戦闘下で、泰然と、あぐらをかいて戦況を眺めていたシーンをふと思い出しました。

物事には自分では「どうにもできないこと」があります。それについて日夜心配し、くよくよと思い悩んでも、良いことはありません。だからそれについては考えない、心配しない。そのかわり、「自分にできること」については十分に手を尽くす。

覚悟をもって、この逆境に立ち向かっていくしかありません。

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